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2001 年 6 月ぶんです。

★ ★ ★

2001/6/30 sat.

会社の人のダブル送別会。
ひとりは韓国の人でクニに帰る。映画の脚本が書きたくて、もう第1作を書き上げてコンペに出しているそうだ。
もうひとりは Web ビジネスの会社に行く。と書くとさいきんは it バブルのイメージがあって大丈夫かよう、
という気もするが、結構有名でビジネス内容も面白そうな会社だ。ということで、送り出す方もなんか気分がいい。
ウチの会社から出て行く人はそういう人が多く、そこから考えて逆にウチも悪い会社じゃないのかな、と思う。

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小泉・竹中氏の痛みを伴う構造改革の影響が疑心暗鬼を生んでいる。
素人意見だがぼくも不安になる。結構大きな会社もバタバタつぶれそうで、その後儲かってる会社に
どんどん人が移るというヨミなのだがそれはちょっと。
要はイケてる会社とそうじゃない会社の線引きをはっきりさせ、
そうじゃない会社の元社員をほっといてイケてる会社だけで浮上しようという計画に見える。
人の考えはさまざまなので、そういう政策ならそういう政策で打ち出す人はいてもおかしくはないが、
それを民衆が熱狂的に支持してるというのがチト分からない。
森時代に十何パーセントだった内閣支持率が、今はネガポジ逆転のはちじゅう何パーセント。
これでは情緒的(me/her)な国民と言われてもしかたないのではないか。
街角で純ちゃん、ジュンちゃんと叫ぶ善男善女のみなさんは、本当に生き残り企業組なのだろうか心配。

小泉改革の疑問点は、ダメ銀行がつぶれてその影響で罪もない企業が(拓銀破綻時の北海道のように)
つぶれるんじゃないかということだ。
竹中氏(小渕/森時の政策顧問で、彼が改革を叫ぶのはどうもという声もあるが)の言うように、
生産性の低い会社がつぶれるのは一歩譲って仕方ないとしよう。
ダメ銀行がつぶれて、その銀行をたまたまメインバンクにしていた企業がつぶれる場合、
その企業にどこまで責任があるのだろうか。
昔は(今も)銀行のサーヴィスなんて横並びだしディスクロージャーもないので、
銀行の選択なんてタマタマというケースが多い。
この場合、銀行の破綻が民間企業の破綻に直結しないように、借り換えを政府が保証するとか、
優秀なビジネスプランに対しては公立のヴェンチャー キャピタルが資金を貸し出すとかするのであれば、
不良債権処理が急務であるのは確かなので、まあまあいいのかなという気もする。

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ジョナサン・ケラーマン「サイレント・パートナー」を読む。
アレックス自身がアイデンティティの危機に陥る話で、これを代表作にあげる人も多い。
たしかにすばらしい作品。結構早い時間に読み終えたのだが、読後感を大事にしたくて、
テレビも見ず、他の本も読まずにぱらぱら同じ本を見返してぼうっと考えた。
これも事件が解決した後の描写がすばらしい。
サスペンスが大盛り上がりに盛り上がった小説はあっさり終わって残念なことも多いのだが、
アレックスシリーズはそうではない。この作者は結末がうまい、と思う。

ただ、クックの医学サスペンスもそうなのだが、名探偵が解決する以上チンピラのケンカでは物足りないので、
巨悪へ巨悪へと話が進むのがちょっとウソくさいような気がする。
現実には、金持ちが社会構造を利用してあくまでまっとうに、合法的に堂々と貧乏人を追い詰め、
貧乏人はその結果愚かさや欲望に負けて法の一線を越えるが、警察が罰することができるのは貧乏人だけ、
という構造だと思う。この構造を救うようにすると必殺シリーズやねずみ小僧のような非合法ヒーローに
なると思う。難しいところだが、いわゆる社会派ミステリーに出てくるように恥も外聞もなく悪事を行なう
金持ちっているのかな、そんなことしなくても金持ちなんだから順調に成功するんじゃないのかな、と思うのだが。

リアルなのはアレックスが金持ちで、金持ちなのにいい奴、という点だ。
で、人脈や教養を利用して事件を解決していく。こうでないと巨悪は追求できないだろう。
が、やはり日本でしみったれた生活をしている身には実感が湧かない部分も大きい。
ネットの書評にもそういう意見があり、ぼくが大好きな登場人物の洒脱な会話も楽しめないという意見もあった。
でも、これは外国ミステリーって大体そうじゃないのかなあ。
あと、脇筋のいくつかが最後まで本筋にからまず、あくまでアレックスの思考過程と干渉するエピソードというのも
いいと思った。複雑な現実を複雑なまま書いている。

ハワード・ヒューズをモデルにしたという大富豪が面白く(ただ、本文中の訳注に「この大富豪はヒューズがモデル」と
書いてあるのはどうか)、ヒューズが制作/監督に携わった映画を調べるが、フツーの名作で拍子抜け。
小説の印象からするともっと奇ッ怪でおげれつな映画を想像していたが、ま、年代が年代なのでそんなわけはないか。
しかしヒューズの生涯を描いた本は面白そうなので調べてみよう。

例の翻訳者リレー問題だが、ここまで訳していた北村氏はもう物故している。
この本の途中で亡くなったので共役になったのかどうかはわからないが、引き継いだ北澤氏が見事に北村節(そうとう独特)を
受け継いでいるのはすごいなあ、と思う。翻訳が楽しめないと翻訳小説は楽しめないのだ。

2001/6/27 wed.

さいきんよく出入りする事務所で、、、うーでも言いにくいな。でも書かずにいられないな。
えっと、書きますよ。(^^;;; パーティションに巨大なフラワーボックスを吊っているのだが、
それが、結構広い事務所に延々と吊ってあるのだが、金属のけっこうゴツい唐草模様みたいな支持具でテラコッタ風の
プランターが吊ってあるのだが、で、観葉植物とか埋けてあるのだが、あのねえ、ちょっと気になるんですけど、、。
ぼくの美意識なんか全然ひどいもんなんだけど、でも、ぜったい変だと思う!(^^;;;
気にすまいすまいとすると、どんどん気になってき、アタマが痛くなってくる。
気の置けない友達にたまらず言うと、「俺もそう思うんだけど、、」と言っていた。
そういえばこの事務所のあるビルのコリドーにもそこかしこに鉢花が埋けてあり、これも気になる。
でも、こういうのはいくら気になってもいいにくい。設置する人はよかれと思ってやってるんだし、
批判すると、なんかあたかも「自分はセンスがいいのだ」みたいなことを言いたがってるような印象を与えかねないし、
そもそも「花とは美しいものだ」という観念が道徳的にある以上、それに異を唱えると悪役になりそうである。
これ、結構普遍的に人付き合いの難しさみたいなものをはらんだ大問題かもしれない。
でもしかし、オフィスのパーティションにプランターは、、ファイルボックスとか運ぶとき前見てないと激突しそうだし、、。

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もともとぼくは異常にうざったがりというか、装飾的なものがニガテで、
ああいう花飾りとか、よく言われることだが電話のカヴァーとかティッシュのカヴァーとか嫌いなほうだ。
なので、上のプランターの話もそうとうバイアスの掛かった意見かもしれないが(なんかフォローしとるぞ)、
そういえばニガテなものに無駄に重い Web ページがある。

「東横線踏破計画」もじゅうぶん重いですヨという声もあるかと思うが、あれは重くなるべくして重いのだ。
あのページを軽くするのはなかなか難しいと思う。そうではなくてぼくがニガテなのは、
いきなりプラグインを要求され、インストールして見に行くとププーとかヒンソなロックが流れたり、
カーソルがタヌキさんになったり、生後6ヶ月のアカンボが GIF アニメで白目むいたりするやつだ。
(乳幼児の写真は他人には夜中見るとマジ怖いので気をつけたほうがいいですよ)
Java 広告も苦手だ。バナー広告は無料 Web スペースを使うという意図でまあ仕方ないと思うが、
でも Java にすることないんじゃないか。これは広告主の意向で構造的な問題だが、
たっぷり 30 秒待たされて「さいきん抜け毛が気になりませんか」とかいう広告が出るとやっぱりガッカリする。
抜け毛は気になりません。

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芸能界の話題。
たまに「すぐわかるPerl」という言葉で検索掛けて読者の批評読んで励みにさせてもらうのだが、
「speed のメンバーとか出てくるので、ああ古い本だなと思う」という趣旨の批評があった。
そうかー古い本、、1999 年は遠くになりにけりだ。
あのですねえ、もちろん speed が好きでフィーチャーしたのだが
(あと、ちょっとでも読む人にリラックスしてもらおうと思って書いたのだが)
それと同時に、当分いなくなりそうにない芸能人をセレクトしたのだ。
なにしろ当時中学生である。結構本格派っぽいイメージだったし(ウタダさんとか出てくる前は、、)
他に類のないグループだったので、10年ぐらいは持つかなと思ったのだ。読みが外れました。

で「すP2」、結構すぐ書けそうだと思って書いていたのだが、その時はモー娘。を、
それも市井沙耶香さんを思いっきりフィーチャーして書いていた!
結構すごいと思う。ぼくが推すとその芸能人はいなくなるらしい。いなくなりそうな人を好きになりがちというか。
大丈夫かなあ、なっち、、。(ボソ)

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関連の話題だが鈴木あみさんがジャニーズジュニアのタッキーこと滝沢くんと熱愛報道だそうだ。
しかし、鈴木あみさんというひとはつくづく、最近の言い方でいうと「空気が読めない」キャラだと思う。
最初アミーゴというソンブレロをかぶったおっさんみたいなニックネームを自分で言い出した頃から
こいつはちょっと、やるな、というか、限界を超えた手応えだなと思っていたのだが、
(アミーゴは男性名詞で女性はアミーガだという説も)
親に「給料ちょっと安くないか、給与明細はちゃんともらってるのか」といわれて素直に
「給与明細はどうなってるのかって親が言ってるんですけど、ください」とプロダクションに言って引退に追い込まれる。
(事務所も給与明細ぐらい出せばいいのにー)
で、ファンの熱心な応援が盛り上がってベストアルバムが売れ、
ウタダさんの援助もあってさあこれから復活だという時に熱愛報道である。
いや、歌手活動と恋愛は無関係だと思うけど、そうは言うもののアイドルの恋愛に対して
ファン心理はいろいろフクザツである。
しかし、この周囲の見えてなさが逆にイマっぽいのかもしれない。
田代まさしさんの時もそうだが(一緒にするな! ^^;;;)すったもんだがあって
ぼくは俄然鈴木あみさんが気になりだしてしまった。
よく考えたら目が小さくてアヒル口という、島袋寛子、大橋マキに続く好きな顔のラインである。

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そういえば二谷友里恵さんが元夫・郷ひろみへの呪詛の念を綿々と綴った本「楯」というのが出ている。
週刊文春が自社の本とはいえ異例の3週間にわたるキャンペーンをやっていたが、
そうとう面白い本らしいので読みたくてしょうがない。ブックオフに出ないかなあ。(ひどいなー)

郷ひろみさんといえばぼくなんかの世代にはヒーローであり、歌謡曲の黄金時代を飾る
アイドルらしいアイドルの代表のような人だ。ぼくは有名な「恋の弱み」をはじめ、
「誘われてフラメンコ」「二十歳の微熱」「君は特別」「花とみつばち」といった、
阿木燿子/宇崎竜童が手掛ける前の、主に筒美京平作品が好きだ。
もちろんその後の「地上の恋人」「禁猟区」「ハリウッド・スキャンダル」「マイ・レディー」「ナイヨナイヨナイト」、、
ああもう止まらん、とにかく最近に至るまでほとんど大好きである。

で、友里恵さんの本だが、文春に抜粋された部分のみを拾い読みした範囲でもそうとうヘンな本である。
どうも結婚生活、離婚とその後の子供との関係において郷のきまぐれや思慮のなさに振り回された、
ということを書きたいらしいのだが、論旨が整理されていず、郷という特異なキャラクターについての印象批評が
同じページに行を連ねて書いてあるのだ。でもねえ、郷さんがヘンな人だということぐらい、ファンはみんな知っている。
ていうか、「そこがたまんない」のである。
心理学用語とかがちりばめてあって格調高そうな本だが、よくよく読んでみると、世に問う意味のある主張なのか、
単なる悪口なのかわからなくなってくる。友里恵さんの境遇には同情するが、この本を読んで同情しにくいかもしれない。

郷サイドの「ダディ」というのも相当面白い本らしいが、そこはエンターテイナーらしく笑える本にまとまっているようだが、
「楯」はちょっと違う手ごたえがある。女性週刊誌でもバッシングが始まっているようで、楽しみなことである。
しかしまあ、こんなことがあるとまた二谷友里恵さんという人が気になってくる。もっと難しい言葉を使って、
もっともっと激しい批判本を書いて欲しい。今度は「矛」とかどうでしょう。(ベタベタ、、)

2001/6/21 thu.

会社の仕事の話だからあまり細かく書けないが、とある Java の製品をインストールしたら
Windows 上で Java の Web アプリケーションを動かすエンジンとして、
Cygwin の、それも B20 がついてきたのでちょっとたまげた。

Cygwin は有名だが要は Windows 上で UNIX ごっこをするプログラムで、
似たようなものは多いが一番大規模なプロジェクトである。
ずーっと B20(ベータのバージョン 20)が使われていたが、昨年正式バージョンの 1.1 が出た。
フリーウェアだが、商用の場合は多額のライセンス料をとられる。
(だから B20 を使っているのかもしれない)

cc(UNIX 標準の C コンパイラー)がついてくるのが面白く、
いろんなフリーウェアをコンパイルして試すことができる。
Apache も動く。Windows 上で Cygwin を動かして、Apache を動かすと、
その Web を同じマシンの Netscape などで見られる。これは便利ですよ。
最近は PC を1台まるごとエミュレートしてしまう VMWare が流行っているが、
あれよりはぜんぜん手軽。フリーだし。

上記のプロジェクトの人が Cygwin のコマンドラインと奮闘しているので、
ホーム ディレクトリを作って、bash の環境を整えて、
何個かシェルスクリプトを書いてみるとグンと機動性がよくなった。
いやーしかし、Cygwin を会社で、それもお客さんの都合でまじめに使うとは思ってなかった。

★

家では Cygwin は愛用しているが、Windows2000(でないと安定しない)でこれを
動かすとやはり遅さが気になる。あと、そろそろビデオ編集などの速さが気になる作業を
するので、今回はノートではなく、デスクトップ PC の拡充につとめてみようと思って
さいきんいろいろ調べている。

Pentium4 がさいきん安くなったといっても高いので、同じクロック周波数でもぐんと安い AMD の Athlon に
手を出してみようかと思って Web を見るとあっとびっくり、もうひとつまた別の世界が開けていた。

Athlon は
・速い
・安い
・熱い
ということで、オーバークロック実験、冷却実験をする人がうじゃうじゃ力作ページを発表しているのだ。

CPU の冷却ということになると、ヒートシンクという CPU 側がまったいらで、反対側が剣山型、
羽根型などなるべく表面積が大きくなっている金属部品を取り付け、さらにそれにファンを取り付けて
風を送って冷やすのが常道だ。
ここで、ヒートシンクと CPU の間にシリコングリスという一種の油を塗り、
双方の表面の微細な凹凸によって密着しないのを防ぐ。

ここまでは常識だが、この時点でヒートシンクの選択とシリコングリスの塗り方で諸説分かれる。

で、それだけではオーバークロック(規定以上のクロック周波数で計算させること)マニアは止まらない。
・重いヒートシンクを乗せてケースを立てて使ったら重みで隙間が出来たので
 針金を入れて釣って使っている
・水冷にした(これは結構フツー)
・すると暖かい水がいつもできるのでそれで熱帯魚を飼った
・パソコンを冷蔵庫に入れたが冷蔵庫の方が負けてかえって熱くなった
・そこでマザーボードだけを冷凍庫に入れたらよかった
・雪山でマザーボードをむきだしにしてみたらよかった

こんな話の続出。やー楽しいたのしい。

さいきんはデンマーク産のガス冷却装置内蔵ケース、Vapochill というのが究極の選択肢のようだ。
要は冷蔵庫の原理をつかって冷却するもの。
これは結構導入が難しいのと、高い(10万円する)のと、中が結構狭いのでちょっと導入を迷う。
でも導入は「ものすごく楽しい」らしい、、。

高速化、冷却は実はパソコンの静かさとトレードオフになっている。
強力なファンをばんばん回して熱を逃がしてやれば CPU はカンタンに冷えるが、
それだとうるさい。悪名高い海外の会社のファンを使っている人の家に友人がやってきて
「ビデオを巻き戻してるの?」と聞いたというが、そんなのは困る。

そこで思ったのだが、ヴェランダにパソコンを出してしまうというのはどうだろうか。
思うさまファンを回せる。これはいいと思ってPCを屋外に設置した例を探し回っているのだが、
どうも見つからない。検索のしかたが悪いのか、ヤメトケということか、、。

2001/6/19 tue.

名古屋で豪雨があり、川が決壊しそうになったという噂を聞き、明日は関東かとおびえる。
さいきん地球の温暖化にともなってか? 日本の天気が台湾みたいな熱帯っぽくなったような気がする。
雨が、以前のように長々としのつくという感じではなく、ガッと振ってパッと上がる。
なんとなく紫陽花が似合うような天気でなくなったような。

ヴェランダに出している本が気になったので、本棚が直ったということで
夜中の10時からエイヤで部屋の中に入れる。
3段に積んでいたのだが、下の2段の上に水が溜まっていたものの、ビニール袋の中に水は浸透していなくて
ホッとする。箱を開けながら本棚に入れているとハイになり、何日かに分けてやろうと思っていた開墾と整理を
一晩で終わってしまう。こういう用事は勢いだな。

今回かなり思い切って本を処分した。近所に book-mart(book-off のパチモン)があるので持っていくと
結構オヤ? と思ういい値段になって驚く。
どんな本を捨ててどんな本を残すかだが、まず何度も読みかかっては読み通さない本は文章が自分に合わないので捨て。
買っていて読み始めていないのは残し。このへんはいいですね。
一度読んで非常に感激し、ああ面白い本だな〜と思った本は残しかというと、それだとまだまだスペースが足りない。
この場合、ハラハラドキドキ一気に読んでああ面白かった! というジェットコースター型の本は
意外と読み返さないので捨てになる。たとえばロビン・クックという人の医学スリラーが結構好きで、
とくに「フィーバー〜発熱〜」というのはサスペンス史上に残る大盛り上がりのスリラーなのだが、
こういうのは意外とあっさり売りになってしまう。
あと、スリラー系では昔のものより今のものの方が捨てやすい。今の小説はたいがい分厚い。
これは、本屋の売り場で目立つようにという営業的な理由のほかに、ストーリーでパターンが出尽くしたので
情報で読ませる部分があるのではないかと思うのだが、それはさておき、分厚いと読み返さない。
また、情報的な部分の多い小説は風化も早い。ということで残るのは古典ということになる。
で、割り切れない本、一度読んだけど面白いのかおもしろくないのかよくわからないモヤっとした感想が残る本、
こういうのは残る。はっきりいってつまんなかったのに、なぜか「しばらくしてもう一度読んでみようか」と思わせる本がある。
こういうのは置いておこうかという気になるのだ。
こういうクライテリアで本を整理していくと、
なんとなく厚さが適当な本、古典、割り切れない本、微妙な味わいの本ばかりが残っていく。
なんとなく「脳」に似ているなあ、などと思う。
とまれ、今の本棚の状況をぱっと見て、ぼくの本の傾向を決められるとちょと困る。
ロビン・クックの新作を見つけたら、あわてて買い求めて寝食を忘れて読みつづけ、あー面白かったと思ってキレイなうちに
book-mart に売りに行くだろうからだ。

例外はコンピューターの本で、これは1冊も捨てられない。同じことを微妙に違う表現で書いてあったりして、
何冊か読むとわかったりする。どんどん幅を食う。どうかして欲しいものだ。

さて、今回は book-mart に売る、本棚に残すの間に、5面がキャンバス地で1面が半透明ビニールのチャックで締める
ストッカーと言うのを東急ハンズで買い求め、それに売るほどではないがすぐには読まない本を入れて押入れに
隠しておく、という手法を導入した。これがいい感じ。とくにマンガがいい。「帯をギュッとね!」全30巻など、
長編モノのコミックスを箱状に固めてボン、と保存しておく。なんか「すてきな奥さん」みたいなことばっかり書いているがー。

それにしてもマンガというのはスペースパフォーマンスが低い。マンガ喫茶、というのは行ったことがないのだが、
あれはなかなかプラクティカルなソリューションかなあと思う。

2001/6/17 sun.

読書。ジェーン・オースティン「エマ」を読了。
オースティンはディケンズ、フィールディング、イヴリン・ウォーとならぶ(並び方ヘンかもしれない)イギリスユーモア小説の
代表者のひとり。代表作は「自負と偏見(Pride and Prejudice)」で女流作家に特徴的なイジワルな人間観察がユーモアに昇華した
作風が特徴。厳格な旧家に生まれて針仕事の合間に小さな帳面に小説を書きつけたそうで、男性同志の会話が出てこないのは
見たことがないからだ、という説があるぐらい、会話のリアリティが売り物。

ちなみに「自負と偏見」だが、この題名で新潮文庫に入ってる朱牟田夏雄先生の訳のがいいですよ。
朱牟田印の訳書は他にフィールディング作「トム・ジョウンズ」、オルダス・ハックスレー作「恋愛対位法」などがあるが
どれも安心の名訳。

 付記(6/20):
 わはは、なにを勘違いしてんだか。新潮版の「自負と偏見」は中野好夫訳です。
 日記に間違いを見つけると、ふだんはしれっと直すんだけど、今回なぜ勘違いしたのかわかんなくて面白いので放置。

フィールディングやオースティンにハマったのは小林信彦氏が「小説世界のロビンソン」の中で漱石の書評を紹介しているからだ。
小林信彦、夏目漱石、どちらもぼくには安心印のブランドで、このふたりが好きなものは全部読んで損はない、と思っている。
で翻訳が朱牟田先生なので、これは安心印が3つ押してあるようなものだ。
ロレンス・スターンの「トリストラム・シャンディ」も朱牟田訳があるようなのでこれは読まねば>自分用メモ
この小説は登場人物が死んだら1ページ真っ黒になるようなキッカイな小説らしく、漱石が大変ハマったそうだ。

さて「エマ」はハーディング祥子さんという人の訳。
有名な性の報告書ハイト・レポートを共訳した人だとか。
実は中公文庫版の冒頭を読みかけて挫折していて、ブックオフでああ新訳だ、と思ったときは、
カヴァーが映画化版の登場人物写真をあしらったフラッシーなものだったこともあってちょっと警戒したのだが、
訳者あとがきを立ち読みして「オースティンは題名で損をしている。内容はみな面白いのに、
Pride and Prejudice、Sense and sensibility という英語だとユーモラスでかわいらしい題名が、
訳したとたん『自負と偏見』、『分別と多感』と哲学書のような仰々しい題名になってしまうのだ。
しかし『エマ』はその心配がない」という趣旨のことが書いてあって、それが気に入って買ってしまった。

ハーディングさんの訳は現代的でスピーディーな訳で「チャンス」とか「ヒント」とか外来語が多用してあるのが特徴的。
でも「ショックですわ」というのはどうかな。でも大いに笑える訳で、あっと言う間に読み終わってしまった。
女主人公のバカさ加減に腹を立てながら幸せを願わずにはいられずハラハラドキドキする、
理想的な恋愛小説である。

前から思ってたけど昔の小説って、メインとなる大きな事件が片付いてからもしばらくの間小説が続く。
あれが、いいと思う。いちばんいい例が「不思議の国のアリス」で、不思議国から帰って来て姉が出てくるくだりがある。
あそこがすごくいい。

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前に触れた DoCoMo のスパムメール問題だが、大笑いするテレビCMをやっている。
女優さんが出てきて、「迷惑メール、困りますね。さいきん、いい対策法を教わったんです。メールを電話番号そのままじゃなくって、
名前を変えるといいんですって。他にもいろいろ便利な機能があるんだそうです」と、あたかも自分は DoCoMo の1ユーザーであり、
しかもメールの素人であって、どこかにいる誰かくわしい人に教わったような携帯でヌルい対策を縷々述べる。そのくわしい人を出せー!
で、最後のさいごに「今後も便利にiモードをお使いください」
え!? あなた DoCoMo を代表して語ってたの? 1ユーザーじゃなかったの?
いままでの調子だったら「今後も便利にiモードを使おうと思います。あなたもそうなさったら?」ぐらいに言うべきではないだろうか。

じっさいには名前を変えようと思っても、例えば安倍なつみさんが abe にしても、natsumi にしても、nacci にしてさえ
何百人も先客がいるので、abe2001 とか、いろいろ工夫をこらした名前を付ける必要がある。覚えてもらえない。
それに、ネットずれしてない市井の人は自分でじぶんにつけたアダ名のようなヘンなメールの宛先が恥ずかしいものよ。
(あと、急にネットデビューした人が makikotan とか自ら名乗るケースもあり、これは周囲が恥ずかしい)
拒否するアドレスを登録するにしても(週刊アスキーの受け売りだが)DoCoMo の拒否機能は携帯キャリアーの中でいちばん弱く、
十件ぽっちしか登録できない。
それに、この件の最大の問題は(これも週アスの受け売りだが)DoCoMo が携帯キャリアの中でゆいいつ、どこの誰からか届いたメールを
受信するためだけに課金されてしまうという点である。この点に手を着けずに、女優さんがうわさばなしみたいにヌルい対策を語っても、
ぜんぜんユーザーの不満は解消しないのではないかと思うのだが、DoCoMo ユーザーはどう思っているのだろう。
ぼくはしゃべる方は au、データ通信は -H"、携帯でメールはしない方だ。

2001/6/16 sat.

ここ1ヶ月ぐらいでちょっとずつ通販で買いためてきたものがある。
アナログプレーヤー関連グッズだ。
本棚を整理した行きがかりで押入れも整理したら昔「ハンター」などで買いためた
80年代B級アイドルなどのEPがあって、これが聞きたくなったのだ。

まず、盤面がめちゃくちゃ汚いのできれいにしないといけない。
レイカという会社のディスククリーナーセットを買う。
バランスウォッシャーという液をつけてビスコという布で拭く。
この使用説明書がなかなか吉外で面白い。

 ・レイカは機械式も含めて、いままでのクリーナーをいっさい認めていません。

 ・自分自身がカートリッジになった気持ちで音ミゾをなぞってください。

 ・盤面に水滴を残したまま使用してはいけません。それはカートリッジの針先に
  実質1トンの圧力が掛かっているため、はさみこまれた水が抵抗体となって
  砥石の言質でレコードや針を削りだすからです。ダイナミックな水や油の
  物理的な特性といえます。

 ・ビロードやブラシ等を使用して回転中のレコードに、回転数が大きく変動するほどの
  圧力をかけてクリーニングする悪習は潤滑油、ベルト、アイドラーにストレスが記憶され
  音質や回転制度が劣化する原因となります。

 ・盤面にオーバーフローした安定剤の油膜を「はくり剤」と誤解しないでください。
  これを溶剤(アルコール等)や洗剤で除去すれば、レコードへの悪影響は多大で
  寿命を縮めるだけです。レコードやスタンパーに、「はくり剤」は戦前から
  ぬられていません。

 ・カビのはえた盤面には菌糸の根から除去する「バランスウォッシャー」の効果が
  絶大です。(中略)菌類は、おもにカワキ−アオコウジカビ aspergillus vitricolae です)

「自分自身がカートリッジになった気持ちで」って、、、。
「あーやだな、またレコードのミゾこするのかよ、、あれくすぐったいんだよなー、、」とかいう
気持ちになれってことですか。ちがうよ。

次にアナログプレイヤー。めったに使わないので安いのを買った。
DENONで1万ちょっと。当然ベルトドライブでMMカートリッジだが、
フルオートでラクチン。
箱を開けて驚いた。ターンテーブルを置く場所から見えている、白いプラスチックのメカニズムがこれ。
カムとかギアが複雑に組み合わさっているのだが、

これが完成図ですよ。(ボケてて sorry)
しかも黄色く転々と点々と潤滑油が垂れている。
言ってしまえば、子供がそこらへんで拾ってきたプラスチックを適当に詰め込んだように見えるが、
これが完成品らしい。
最初梱包用の緩衝材かと思って外して捨てそうになったが、指で触るとどの部品もなんとなく
お互いに協調して動いている。動いているようだ。マジっすか!?
カヴァーで覆うか、せめて「一見するとめちゃくちゃに見えますが、これで立派に動きます」と
ヒトコト書いといてほしかった。
ターンテーブルを乗せてベルトをプーリーに引っ掛ける。これがなかなか難しい。ターンテーブルの
裏に輪ゴムのお化けみたいなベルトがはまっていて、そのベルトにリボンがくっつけてあるのだが、
このリボンがくせもので、これを使ってベルトを引っ掛けるのだ、が、
ぼくは輸送用にベルトを固定してるだけのものかと思ってさっさと外して捨ててしまったのだ。
なんとか爪でベルトを引っ張って装着するが、まあまあうまくいったようだ。

これでレコードを聴くだけなら出来るが、今回は CD に焼くという構想なのでデジタル機器をそろえる。
まず Roland の UA-10。USB 経由の外付けインターフェイスである。

内蔵オーディオカード(結構いいのを使っていて、SB LIVE! VALUE だが)を使うと、
アナログ音(ていうか、じぶんの歌)を取ると雑音がひどいのが以前から気になっていた。
なにかアナログ機器をつないだだけでサーとかブーとかいう。
これはパソコン内の高周波がオーディオカードに干渉しているそうである。
ありそうな話で、これをカットするために外付け機器を使うそうだ。
歌入れにも MIDI にも、光端子経由のデジタル機器にも使えて値段が手ごろなので買いました。

あと1個は CD 焼きソフト。いろいろあるけど Steinberg の Get it on CD という機能が多そうなのが
キャンペーン価格で安いので買った。

早速接続し、レコードを掃除しては掛け、サンプリングして波形編集し(といっても前後を切るだけ)、
どんどん CD-R に焼く。難しいことは何もない。失敗するとしたら、盤面がひどくカビてて
(カビ−−おもにアスペルギルス・ヴィトリコラエ−−)は栄養源にビニールを食べるようで、
カビを取っても傷は残る)傷だらけの場合や、反ってる場合。あと今聞くと聴くに耐えない駄曲の場合。
打率は7割というところで、ぼくベストのアルバムが出来上がる。

1.PYG(ピッグ)/花・太陽・雨
2.坂上とし恵/き・い・て MY LOVE
3.黒沢ひとみ/秘密あげます
4.山本ゆかり/私 MAIRUWA
5.ゴールデンハーフ/チョットマッテクダサイ
6.ちあきなおみ/X+Y=LOVE
7.山本リンダ/きりきり舞い
8.フォーリーブス/地球はひとつ
9.鹿取よう子/ゴーイング・バック・トゥ・チャイナ
10.桑名正博/セクシャルバイオレットNo.1
11.一風堂/アフリカン・ナイツ
12.ちあきなおみ/夜間飛行
13.松原みき/真夜中のドア〜Stay With Me〜

年代も傾向もバラバラだが(一応曲順考えて並べてあります)いやあ懐かしいなつかしい。
ジリパチ音のする CD というのも一興である。
しかし、CD に比べてはるかに古いタイトルの検索が容易なアナログ盤の再生環境が出来てしまったわけで、
次に神保町に行ったときの自分の行動がコワい。

2001/6/12 tue.

4月11日にセクシーポーズになってしまったツッパリ本棚の件は覚えてらっしゃいますか。
それから2ヶ月間、ちょっとずつ本を段ボールにつめてはヴェランダに出し
(一応ビニール袋2重に入れてあるのだが、雨ざらしになっている。大丈夫だろうか。
 まだ未確認)
回りをちょっとだけキレイにした。自分では治せそうもないので、業者の人を呼ぶのである。
業者といっても大工仕事をやってくれる便利屋さんだ。
じつは日曜日に見積もりに来てもらっていた。見積もりはホントに無料。
「手伝ってくれたら1万円でいいです」と言われたが、手伝いたくないので(ひでえ)
ふたりで来てもらって2万円コースにしてもらった。

というか、どうやって直すのかぜんぜん見当もつかなかったのだが、
折れ曲がってしまった金具を剥がしてより強力な穴空きアルミ板(いろんなものがあるもんである)を
あててネジ止めし、自由に動く棚板をぼくが場所決めして何箇所か左右からネジ止めした。
朝8時に来てもらったのだがあれよあれよで10時に終わった。これで会社に11時に行ける。
(後日、さらに来てくれて左右から棒を固定してくれた。これで絶対大丈夫だそうだ)
プロの技はすごいものだ。あんまりうれしいから紹介しちゃう。
川崎市高津区の業者さんなのでお近くの方はぜひどうぞ。
グッドリバーサービス社。Web を見ると便利屋という仕事をイロイロ信念を持ってやっているようで面白く、好感が持てる。
なんとなく大島弓子の「毎日が夏休み」というマンガを思い出した。

2001/6/11 mon.

久しぶりにコンピューターの話しますよ。

会社の MS-SQL サーバーが 6.5 から 7.0 に移行するが、これを UNIX から見るのに、
ぼくは専用の Linux サーバーを立てて Sybase のドライバーで見ていた。

会社が管理してくれる UNIX が FreeBSD なのに対して、
Sybase のドライバーが Linux 用しかなかったからで、最近はこういうケースが多い。
新しいものは Linux 用しかない。それも RedHat 用の RPM パッケージしかない。
周囲の Linuxer(なにそれ)は Debian 派しかいず、
ぼくは 10 分も Linux をいじったら人に聞かないと先に進めないタイプなので(ヤなタイプだなあ)
Debian にしているが Web サーバーに乗っているのは RPM パッケージばかり。
この状況をみて RedHat の使用を決断する人が多いと思う。ぼくも最初そうだった。
現実には Debian にも alian というプログラムがあって(ヤなプログラム名だなあ)、
RedHat 用の RPM パッケージを Debian 用の Deb パッケージに変換してくれる。
この Debian のパッケージ管理システムだが、ぼくなんかがほんのちょこっとだけ使った感想ではあるが
RPM よりぜんぜんラクチンポンである。
ということでネットに常設している環境では Debian をおすすめするがどうだろうか、、。
フロッピーで導入して、あとはネットからするするっと入る。
もっとも入り口が狭いので近所に Debianer(だからなんだよ、それ)がいないとツラいかも。

しかし! SQL7 化を期に FreeBSD 版の Sybase がないか探してみた。(長い前フリですね)
最近は FreeBSD の安定性が買われてサーバーの安定運用目的で静かなブームが始まってるようで、
日経なんたらでも「フリーBSD」という表記が散見されて何かと思う。
で、Sybase のドライバーはないが FreeTDS があった。
これを Perl の DBD::Sybase+DBI モジュールで動かすと、
ちょっといろいろあったけど(そこをちゃんと書いたほうがいいんじゃないですか?>自分)
結果的に良好に動いた。バンザイ! これで自分管理の Linux をテッキョできる。
これは Pentium III 750Mhz かなんかで、あの例の神を信じる人びとが作ってたやつ。
自分で使ってたのを、稼動の期日が迫っていたのに他のソリューションが思いつかないので
会社にムリヤリ買わせたもの。払い下げじゃなくて払わせ上げっていうの?
さいきん異臭騒ぎ、じゃなくて(やめなさいって>俺)異音騒ぎがあってそろそろ寿命かなあと
思っていたところなので渡りに舟。でもいざテッキョするとなったら惜しいもので、
今もなんとなく動かしては遊び場にしている。怖そうなモジュールとか動かすのに、
自分管理の UNIX が1個あるのもそれはそれでいいものだ。でもそれだったら会社のと合わせて
FreeBSD にしたほうがいいと思うけど、でも Debian はパッケージがラクチンポンなので、、
(キリがありませんのでこのへんで)

2001/6/9 sat.

尊敬するスタパ斎藤さんのコラムで、突然訪問者のカンタンな解決法が乗っていた。
映像つきのドアホンにすればいいという。スタパさんは留守中に訪問者があると携帯にフォーワードするのを
紹介していたが、そこまでスタパじゃないので(だいたいぼくはいくら電気モノを買っても
そういう記事は書いていない)単純な映像つきでがまんする。

しかし、カタログをめくっているうちに欲が出て、ハンズフリーで対応でき、録画もできるものを
楽天で数日前に注文していたのを、この日取り付ける。もー対応素早すぎ。
冷静に考えればこのお金で新聞なんか1年ぐらい取れそうな気がするが、
まあ物騒な人はさいきん他にも多そうなので。

工事がユーウツかと思ったが、すでにドアホンがついている家ならカンタンだという。
まず玄関の方は無極性のケーブルが2本来ているのでそれをつなぎ変えればいい。
玄関の方は電源もこのケーブルから取る。室内の方も信号は無極性の2本。
室内の電源だが、コンセントから取る場合は問題ない。問題は直結ネジ止めの場合で、
さわるとビリっと来るので電気工事士の資格がいるというが、通販会社の人に言わせると
ブレーカー落としてれば大丈夫ですよという。
あと、筐体のネジ止めだが、要はネジの位置が規格化されているので、外して、付けるだけ。
ということで工事に挑戦だ〜だ〜だ〜。

ブレーカーを落として元のドアホンの内機を外す。元のは直結式だが、コードの抜き方がわからない。
マニュアルに付け方は丁寧に書いてあるが抜き方はカンタンにしか書いていない。
やはりいったん買ったら未来永劫使いつづけて欲しいメーカー心理か。
結局短く残してペンチでぶち切り、端をビニールテープで絶縁する。この線は殺して、
すぐそばにコンセントがあるので、コンセント式にしたのだ。ということで内側は工事終了。
外側もホントにカンタンに終了。外して、つけるだけ。

工事によって傷がついていないことを確認してもらいに、大家さんを呼んでくる。
昨年未亡人になったかわいいおばあさんだが、旦那さんが結構自慢にしていたテラコッタタイルの外壁を
とにかく傷つけたくないらしいので、ネジ外してつけただけですよ、
ホラ前のとまったく同じでしょ、と見せる。
で、ピンポンを鳴らして試験してもらう。あはは映ってるうつってる。静止画も録画されていい感じ。

で、外を見てどうするか。とにかく荷物を持ってない知らない人は勧誘なので、居留守することにする。
でもそうするとどうせまた来るだろうし、文句のひとつも言ってやるべきではという考えもあるが、
とにかく先週の一件でああいう人を追い詰めるといいことはひとつもないということを学んだ。
まあむさい男の一人暮らしなので、身の危険ということではそんなに切迫感はないが、
先週の一件があってしばらく、なんともいえないいやな気持ちになったのだ。いままで訪問者は
せいぜいまともにロンバクしていたのだが、考えを改めた。(ま、ビビっているのかもしれない)
構造的な巨悪のために末端で貧乏人同志がモメているのは不幸な状況だ。逃げることにする。

ということで、新聞取りたきゃ販売店に電話しますし、急に宗教信じたくなったらネットで調べて教会に行くので、
知らない人はうちに来ないでください。頼むよ。

★ ★ ★

2001/6/3 sun.

突然電話、突然訪問、突然メール、突然チラシと当たるを幸い俎上に上げて
「特に欲しくもないものを頼まれる前にいらん気を利かせて売りつけようとする人」を
攻撃してきたが、大物を忘れていた。今日来たのだ。例のあの新聞の拡販員である。

他の新聞の場合も、引っ越したその日に来て驚いたものだ。でもちゃんと最初から
「○○新聞です〜」というので「ぼくは新聞取らないんで、お断りします」というと
それからは2度と来ない。たまに「新聞ぐらい読んだほうがいいんじゃないの」と
マニュアル通りのオヤジイヤミ(オヤジギャグと並んでオヤジイヤミというのがあるよな)を
言われるときがあるが、この場合は言い返し方が決まっていて「最近はネットで新聞とか
全部読めちゃうんですよ」と言うことにしている。かわいそうだが、
そもそも新聞(紙)って形態じたい時代遅れの環境破壊装置だと思っているので
これは仕方がない。価値観の相違である。

問題は例のあの新聞の場合で、これはもうイントロからして芸風がぜんぜん違う。
「商店街の方からこのへんの地図(環境にやさしいゴミ袋、というパターンもあり)を配っています」
という。もう覚えたが、最初に聞いたら、これはドア開けると思う。
開けると、若いあんちゃんで、例のあの新聞。これが結構腹が立つ。

今日ひさしぶりに、昼過ぎに来た。
今回は「商店街の方でこのへんの地図」と言った瞬間に打ち消して、
「例のあの新聞の方ですね(じっさいには新聞名を言いますよ ;;;)、
 こないだお断りしましたが、新聞取りませんので」
「あ、いぜんうちの新聞お取りいただいてませんでしたっけ」
「いいえ、一人暮らし始めて一度も新聞取ったことありません(これはホント)」
それからも何回もピンポンピンポンと鳴らすので(ドア開けないと納得しないらしい)
「ちょっと寝たいので(これは本当)何回も鳴らさないでください!」と大声を出すと
「おめえよう、なに調子ぶっこいてんだよ、、ぶっ殺すぞ」だって。ひえ〜〜!
それから何回もピンポンピンポン。誰が出るもんか。布団をかぶってがたがた震えていると(おおげさ)
相当のピンポンののちになんとかいなくなった。
普通モノを売るのにぶっ殺すぞ、という人はいない。ということは、モノが売れなくてもいいから
見ず知らずの人を罵らないと気がすまないぐらいに理性のタガが外れているか、
ぶっ殺すぞと脅しながらもモノを売れると思っている、つまり、セールスマンを越えた存在!?
いやー考え方が間違っていた。

ネットで調べると、出てくるわ、出てくるわ悲惨な体験談。
・「宅配便のお届けです」という(これは、開けるよな)
・ドアを開けたら脚をはさんでくる(こうされたら思いっきり閉めればいいんじゃないかな)
・3人で来る
・上がりこむ
・俺と契約したら、このへんの拡販員はおとなしくなるよという(みかじめ料かい!)
・販売店に言っても、拡販員は別法人で管理していないという
・新聞社に言っても、販売店は別法人で管理していないという
もうネット界においてひとつのジャンルを形成する勢いである。ぜんぜんレヴェルが違う。

がしかし、他の新聞に罪はないかというと、これだけ問題が構造的なのに報道しない罪がある。
同じ穴のムジナだから報道できないのだ、と言われても仕方ないだろう。

しかし、まあ恐ろしい。ぼくはガタイがでかいので町のケンカでそうそう参るようなタチではないが
(だから実はドアを開けて応対すると比較的カンタンに済むのだが)
普通市井の人は暴力の行使を日常的には検討しませんよ。最初からそれが選択肢に入っている人が
3人で来たら、やはりかなわない可能性が高い。

要するに大新聞が暴力で拡販してその結果に誰も責任を持たない、という深刻な構造だ。巨悪だ。
地上げ屋や借金取りとあまり変わらない。地上げ屋や借金取りが暴力を頼むのはまあ理解できるが
(しちゃいけないが)ことは新聞である。社会正義を標榜し、公器を自認する報道機関である。
新聞社の社員なんて、正義感に燃えて、さあ世の中を良くするぞと思って会社に入ってくるんじゃないのか。
ちょっとは恥じて欲しいものである。新聞社の名前はあえて伏せるが(誰でも知っていることだが)
まあね、いわゆるひとつのスポーツマンシップでがんばってほしい。

ちなみに、いきさつがあって取って貰えないとわかると(?)表札の隅に×印が書かれるという
ネット記事もあった。何個か×が増えたらもう来なくなるそうだ。覗き窓から外を見て、
外に出てみるともう夕方でひんやりした風が吹いている。表札を見ると、
はたしてアルミ板の隅に引っかき傷で×印がついていた。これ、増やしたら来なくなるかな。

★ ★ ★

2001/6/1 fri.

紙の日記があるので、わりと昔のことも書けるな。

ビデオの撮影の会議。
以前から同人活動の打ち合わせというと「談話室滝沢」という憧れの入ったイメージがあって、
今回使ってみる。すごくレトロな雰囲気でけっこうおかしい。でもめちゃめちゃ打ち合わせに
使いやすいというわけでもなかった。
久しぶりに会うと雑談が盛り上がって困る。AV機器の話(ここで機器の、とあえて書くのが大事)、
F1の話、ネット友達の話など、全部がぜんぶわかる話ではないのだが、年季の入ったオタクに語らせると、
「この話が理解できていればさぞ面白いのだろうなあ」という迫力で聞かせるようなところがあって楽しいたのしい。
でも今回は怪獣を出したり爆発を起こしたりしたいなあと思っているので打ち合わせは綿密にしないとね。

(以上)