日々叢書(この著者ちょこちょこ昔の文章直します。スイマセン)

猪木ボンバイエ

という言い方で有名になった「炎のファイター」ですが、
もともとは異種格闘技戦の相手側モハメド・アリのテーマで、
セリフ部分も「Ali, Boma Ye!」と言っていたそうです。
ちなみに Boma Ye はフォアマン戦が行われたザイール(当時)の言葉で
「そいつを殺せ」という意味だそうです。

「切手をなめると2キロカロリー」という本には
「猪木がアリ戦のあと歌詞を変えて使うようになった」とだけ書いてい、
そのまま読むと勝手に使ったようなニューアンスで取られかねないように書いてるんですが、
アリ戦のあと「友情のしるしにアリが猪木に曲を贈った」と書いてあるサイトもあって、
まあこのへんは梶原一騎的に曖昧にしといた方がカッコいい気もします。

問題は、どっかのトリヴィアサイトにこの曲が「ジョージ・ベンソン作曲」と
たしか書いてあって、ぼくも長いことそうだと思ってたことです。
改めてほんとか、と思って調べてみたら、
映画「アリ・ザ・グレーテスト」の音楽監督マイケル・マッサーさんが作曲だそうです。
ベンソンはこの映画の中で一部の歌と音楽を担当してるそうです。
このサントラすごくよさそうなんですが未聴です。
http://www.jack-p.co.jp/mimi/mimi11.html

意外な映画音楽といえば「サイモンとガーファンクル」で有名な「卒業」と
「ジャニス・イアン」で有名な「復活の日」ですが、
両方とも音楽監督はテオ・マセロさんという人です。
この人、いちばん有名なのは70年代の電気時代のマイルス・デイヴィスの
プロデューサーとしてでしょう。少々荒っぽいハサミの入れ方で嫌う人もいますが、
ぼくなんかその乱暴さも含めてカッコいい、と思うんですがどうでしょうか。
本人もサックスを吹くミュージシャンで、リーダー・アルバムもありますが未聴です。
マイルスの作品の中では最も現代のヒップ・ホップに近い
「オン・ザ・コーナー」でマセロさんのサックスが聴けます。
(といっても、全編的にめちゃくちゃ騒がしいアルバムなので
 どの音がどうだったとか覚えてないですが ;;;

テオ・マセロさんはジュリアード音楽院で現代音楽を学び、
ミュージック・コンクレートの手法で音楽を作っていたこともあったとか。
マイルスはスタジオで自由に吹き、それをテオが編集して作品にしていった、
そこにはミュージック・コンクレートの影響があったと何かに書いてましたが、
「ゲット・アップ・ウィズ・イット」とかまさにそんな感じですね。

そういえば、「パンサラッサ」というアルバムがあって、
これはエレクトリック時代のマイルスの作品(のマスターテープ)を、
ハービー・ハンコックの「ロックイット」で有名なビル・ラズウェルが編集した
リミックス盤ですが、これがまたいいんです。かえってオリジナルより
わかりやすくなってたりして。リミックス嫌いな人は(ぼくもそうですが)
目からウロコかも。ジャズは何でもありだー!

Last Update : 2004/01/09 21:26