日々叢書(この著者ちょこちょこ昔の文章直します。スイマセン)

いちばん好きなクリスマスソングは?

よくある質問ではありますが、ぼくの場合 ELP の「夢見るクリスマス」ですね。
原題は I believe in Father Christmas ですから、
サンタクロースを信じている、という意味ですね。

ELP はエマーソン、レイク、アンド、パーマーの略で EL&P とも書きます。
いわゆるプログレ(プログレッシヴ・ロック)の代表的なバンドのひとつで、
キース・エマーソン(キーボード)、グレッグ・レイク(ベース)、
カール・パーマー(ドラムズ)の3人組です。
青池保子さんという人の「イヴの息子たち」という少女漫画が
なぜか今もコンビニに置いてますが、
この3人組の主人公のモデルになったお美形系のバンドです。

プログレというと解釈がいくつかあるんですが、
原語で Progressive Rock というと先進的なロック、
ロックを単純に手軽に聞ける楽しい音楽として捉えるんじゃなくて
ジャズやクラシックやそれこそ現代音楽の要素も取り入れて
音楽の最先端に位置づけようというどちらかというと
イギリスで生まれた考え方の音楽です。ということで
・曲が異常に長い
・演奏が異常にうまい
あと、ハード・ロックの流れで生まれた音楽なので
・ジャケットや歌詞が「お耽美」「お芸術」しているケースが多い
あと、
・異常に狭いグループでプレイヤーを交換してバンドを結成するケースが多い
といえると思います。(これはハード・ロック、フュージョンにもいえることですが)

ELP でいうとグレッグ・レイクという人は
ELP 結成前にキング・クリムゾンというバンドのヴォーカルをしてた人です。
キング・クリムゾンといえばザ・ピーナッツのカヴァーでも知られる(?)「エピタフ」や
高島兄弟の兄の方のカヴァーで知られる(知られてないって)「スターレス」で有名な
超メジャーバンドですね。今も積極的に音楽を前進させています。
で、レイクさんいったん ELP を解散するんですが、その後エイジアというバンドに移ります。
エイジアといえば初代ベース&ヴォーカルはジョン・ウェットンさんという人です。
ジョン・ウェットンさんが在籍した当時のエイジアは「ヒート・オヴ・ザ・モーメント」という
ヒットを飛ばしたので覚えていらっしゃる方も多いかと思いますが、
このジョン・ウェットンさんもキング・クリムゾン出身です。
また、エイジアには ELP のカール・パーマーさんもいました。
ということで、これだけ書いただけでも、
プログレ界の狭さがお分かりいただけるかと思います。

ELP の音楽といえばアニメ映画「幻魔大戦」の主題歌になった
ローズマリー・バトラーの曲を想像していただけると想像しやすい。
あれは ELP の作品ではなくて(当時 ELP は解散中)キース・エマーソンのソロですが、
シンセサイザーというと普通想像されるキラキラした音だけではなくて
オルガンをベースにしたキリスト教会的な音や、
クラシック系というと普通想像されるバッハ、ベートーベン系のメロディだけではなくて
特にコープランドという作曲家の影響を強く受けたモダンな感じのメロディがあふれた、
ELP のエッセンスが詰まった非常にいい曲です。題名忘れましたが。

さて、この ELP ですが、めちゃくちゃ大衆的に人気がありました。
この人気ぶりはプログレ界ではピンク・フロイドと双璧だと思いますが、
後楽園球場でコンサートをしたりしています。
とにかくコンサートが派手で、
演奏中に感極まってハモンドオルガンの鍵盤にナイフを突き立てたりします。
これ、別の項目とも関連しますが、芸術的なモノに免疫がなかった子供の頃は、
めちゃめちゃ興奮し、「音楽ってなんでもアリなんだ〜」と影響を受けました。
非常に作曲能力のすぐれたバンドにも関わらず、
コンサートの終盤は「ロンド」(デイヴ・ブルーベックのジャズ)、
「アメリカ」(ウェストサイド物語の曲)といったカヴァー曲で
盛り上がるのも逆にカッコよかった。

これ、でも、いま成長してビデオを見ると、ローディ(コンサートのスタッフ)の人が
頃合いを見計らって「ナイフ突き立て用のオルガン」を持ってきたりするんですよね。
あと、演奏中に感極まってスプレーで壁に「elp」と書いたりするんですが、
よく見ると前のコンサートで同じことやって消した跡の上に書いたりします。
こういうのお約束になってしまうとやはりシラけますよね。
それをガマンすると、逆にお約束が笑えて楽しい、ということにもなりますが、
そうなったらもうプログレッシヴ(前進的な)じゃないですよね ;;;

どういう理由か分からないんですが、なんかの欧米のアンケートで
「20世紀最悪のバンド」堂々第2位でした、ELP。なんでかな〜。
「海賊」「ボレロ」など今聞いてもいい曲が多く、
音楽全体に与えた影響も大きいと思うんですけどね〜。
ま、上に書いたコンサートでのアクションが批判されたりするんでしょうかね。

ちなみにドラムのカール・パーマーさんはすぐ裸になるんで有名ですが、
(やっぱり見られてるといいらしく、その肉体は今も引き締まって美しい。
 ベースの人とエライ違い)
この人、空手をやってるそうで、通ってる教室の総本山が大分県別府市にあるそうで、
大きな大会があると出場しに来るというウワサがありました。
わたし別府出身ですけど、確かにクラスに空手やってる人多かった。
ま、ブルース・リー世代なんで、全国的な傾向かもしれませんが。

さて「夢見るクリスマス」の話に戻りますが、
この曲はオルガンにナイフ刺したりするような激しい曲ではなくて、
グレッグ・レイクさんのもうひとつの顔でもある美しいバラードです。
で、それだけ聞いてると眠くなるんですが、間奏にエマーソンさんの宗教的な
オルガンが非常にいい塩梅に入っています。歌詞もいいです。
たしかイギリスでも大ヒットしたはず。

いや、クリスマスといえばイエスだろう、という意見もあると思います。
確かにイエスのヴォーカルのジョン・アンダーソン(還暦だそうですね)といえば
全身クリスマス、一生クリスマスのような人で、確かクリスマス・ソングを1枚集めた
ソロ・アルバムもあったりし、イエスの曲としても『トーマト』というアルバム
(駄作の呼び声高いですが、めちゃめちゃいいアルバムだと思います)の
UFO がどうとか、サーカスがどうとかという曲とか(いい加減だな、、
だって手元に CD ないんだもん、、)その後イエスを脱退してからのソロに入っている
「エヴリバディ・ラヴズ・ユー」という曲とか、めちゃくちゃクリスマス向けだと
思うんですが、クリスマスを直球でテーマにした曲でないので割愛しました。
あと、昔佐野元春がFMで
「エルトン・ジョンがカヴァーした「ルーシー・イン・ザ・スカイ」が
 クリスマスになると聞きたくなる」
と言ってて非常に感心しました。
そういう意味ではビーチ・ボーイズのアルバム『ラヴ・ユー』
(実質的にはブライアン・ウィルソンが一人で作った)
のB面とかもいいですね。
クリスマスはロック、それもシンセサイザーが多い曲を聴いて過ごしませんか。

Last Update : 2003/12/25 02:02