東急東横線には渋谷、中目黒、武蔵小杉、横浜という駅がこの順に並んでいます。
今、中目黒から武蔵小杉まで定期を持っていて、パスネットカードを持っていたとします。これの使い方について述べようと思います。
(1)渋谷から中目黒に行くとき
パスネットカードで乗り、パスネットカードで降ります。これはいいですね。
渋谷で定期券で乗っても、中目黒で定期券で降りようとしても、怒られるので慌てず騒がず入れ替えればいいです。
(2)中目黒から武蔵小杉に行くとき
定期券で乗り、定期券で降ります。これも当然。
問題は中目黒でパスネットカードを入れてしまったとき、改札機はあなたが定期券を持っていることを知りませんので、しれっと初乗り料金を引き落としてしまうことです。改札をくぐって気づいてしまった場合は、改札の脇で係員に申し出ると、カードの入場記録を消して、その場で現金で初乗り料金を精算してくれます。
(3)中目黒から横浜に行くとき
パスネットカードで乗り、パスネットカードで降ります。
次からが応用編です。
(4)渋谷から武蔵小杉に行くとき
パスネットカードで乗り、降りるときに「2枚差し」改札機で定期券とパスネットカードを入れます。渋谷中目黒間だけをパスネットカードから引かれます。
乗るとき定期を入れると怒られるのは一緒です。
乗るとき2枚入れるとやはり怒られます。
降りるとき定期券1枚を入れると、入場記録がないので怒られます。(ただ、ピンポンと鳴るだけで通してはもらえる気がする。有人改札で乗ったかもしれないから? いや、東横線に有人改札はないはずなのだが・・・。)
問題は降りるときパスネットカード1枚を入れたときで、全線分しれっと引かれます。これも、あとで気づいてクレームしたら清算してはくれるような気もするけど「定期を持ってあえてパスネットカードで乗ったかもしれないから返せない」と言われたらこっちに言い分はないような気がします。
さらに問題なのは「2枚差し」でない改札機に降車時に定期とパスネットカードを入れたときです。まずパスネットカードからは全線分が引かれ、定期券にパスネットカード引き落としの穴が開き、カード2枚がジャム(詰まり)を起こし、ベルが鳴り、ランプが付き、係員が来るまで待たされます。まじめな話で、さっきこうなりました。(それをキッカケにこの文章を書いています。)
パスネットの余計な支払いの分は係員が現金で払い戻してくれます。でも、小銭を持ちたくないからパスネット使ってるわけですが。パスネットカードにお金をリチャージしてくれたら何かまずいんでしょうか。プリペイドカードはスイカと違って引き落とししかできないのかな。
定期券に穴が開くのは深刻です。下手すると使えなくなるので、検査してもらいます。検査にパスしなかったら無料で再発行してもらえるはずです。(もらえなかったら被害金額が大きすぎる。)
この時点で言いたいことは山ほどありますが先を急ぎましょう。
(5)中目黒から横浜に行くとき
定期券で乗り、降りるときに「2枚差し」改札機で出ます。
(6)渋谷から横浜に行くとき
これが問題で、人手を煩わすしか現在はテがないようです。
乗るときはパスネットでいいんですが、降りるときは有人精算所でパスネットと定期券を渡し、「渋谷からパスネットで乗ったんですが、中目黒から武蔵小杉まで定期券を持っています。中抜き清算をお願いします」という長セリフをいいます。係員は2枚のカードとこっちの顔をうさんくさそうな目で何度もためすがめつ見た上に、ゆるゆると清算してくれます。
これ、乗車時も降車時も2枚差しでいいんじゃないでしょうか。
ていうか、複雑すぎです。都会で通勤している人は、ちょっと前のエンジニアー並みにITリテラシーが必要だと思います。
最近は券売機がタブダイアログ式(上に「耳」があって、画面を3次元的に切り替える)のタッチパネルになっています。あれ、地方から来た人やご老人はたいてい引っかかっているので、かえって能率は落ちていると思います。だいたいタッチパネルって目が不自由な方はアウトなんですよね。3メートルの幅の階段の2メートルをエスカレーター化するほどいまどきの駅はバリアーフリーに気を使っているのに、券売機がアレでいいんですか。
とか、ことさらに社会派になる必要はないんですが、「2枚差し」改札機と「1枚のみ」改札機が混在してるのはちょっとひどいです。どうも車椅子通過可能な広い改札機は1枚のみのようです。買い換えるのが高くつくんでしょうか。そんなところで節約しなくても。どうも見た目の利便性を追求しようとして結果的に不便になってるような気がします。