ぼくは、祖国日本を愛する反面、外国の人や社会に憧れ、
それに対して祖国日本をつまらなく思う気持ちにたまになります。
ま、当たり前というかありがちな感情だと思いますが、
その中にも一定の傾向というものを見出したので書いてみます。
旅行の習慣がないので(散歩の習慣は異常にあるんですが ;;;)
外国には出張でしか行ったことがありませんが、
まずアメリカですが、長く滞在したLAやシアトル(ま、コンピューター業界
なんで・・・)では渋滞で往生する、ということがあまりありませんでした。
住んでるわけではないのでたまたまかもしれませんが、
とりあえずムコーの人は飛ばします。車間距離からいうと日本同様なのに、
スピードは90kmぐらい出ててギョッとします。自分で運転しないので
特にそう感じますが、あれは目的地に早くついて便利な反面、
結構コワイものです。そんな中でトラックの荷台にペタン、と
15歳ぐらいの女の子が座って(アメリカの15歳ですからまあセクシーですよ)
大きなソフトクリームを気持ちよさそうになめていました。
それを見て、ビーチ・ボーイズの「ディズニー・ガール」という曲を
はじめて聴いたときのような感じ、といえば知ってる方は納得くださると
思うんですが、「ああ、いいなあ」と思い、たまらない憧れ、
一種の懐かしさのような錯覚を伴った憧れを感じました。
(余談ですが「ディズニー・ガール」は『サーフズ・アップ』という
CDに入ってます)
次に台湾(台北)ですが、有名なのは夜店と屋台です。
屋台は朝からやっていて、びゅんびゅん車を飛ばすそばで
よくわからない肉が入ったラーメンともビーフンとも
つかないものをおばあちゃんが売ってて、びっくりするほど安い。
がたがたした机で食べる。こんなものがおいしいわけないと
日本の常識では思うんですが、結構ビシッとスーツを着こなした女性が
食べてたりするので、ぼくも挑戦したら、これが、おいしい!
夜店もすばらしい。日本の夜店とはくらべものにならなく、
時計や靴が売っています。発電機もがんがんに使っていて、
下着を売る店で電気を仕込んだ女性のトルソ像が夜目に映えて
キレイだったことを思い出します。
主要な交通手段は原チャリで、それも二人乗りが一般的です。
ぼくは現地の支店で歓迎されて、方々に連れ回されたのですが、
原チャリの荷台で結構怖かった。
交差点など、くじらと一緒にいわしの群れが泳ぐように
大きな車を恐れずに学校帰りの若い子や子供を乗せた老人が
わんわん原チャリで走っていきます。あえて聞きませんでしたが、
事故も多いんじゃないでしょうか。でもそんなふうに風を切って、
屋台や夜店や「光華市場」(有名な電気街です)をハシゴして回るのは
楽しかった。「光華市場」では当然のように海賊版のCDやソフトも
多く見ました。道徳的な意味ではなく、
なんか動かないような気がして買いませんでしたが。
行ったことは残念ながらないですが、タイという国も行きたいです。
世界で日本の次にウルトラマン/仮面ライダーが盛んな国です。
ウルトラマンは本家・円谷と権利でモメてるようですが(チャイヨー・プロという会社)
仮面ライダーは完全にパクったビデオを売っています。
これ、あらためて東映も石森先生のご遺族も訴えないで欲しいんですが(面白いから)
とりあえず撮影が大層危険です。ぼくが見せてもらったのは
「ハヌマーンと5人のライダー」という映画なんですが
(このハヌマーンは「ウルトラ兄弟vs怪獣軍団」に出てくるあのハヌマーンです。
タイの白猿の神様。この映画は改めて紹介します)冒頭、いきなり5人ライダーが
横隊で街中をゆるゆると走ります。公道を、特に封鎖せず。
フツーの車が迷惑そうに徐行したり、急いでる車はライダーを抜いたりします。
あぶないって! 当然歩行者は見ていきますが、ライダー手を振っています。
当然違法だとは思うんですが、冗談だけでなく、日本の子供番組にはない
ライブ感があります。
日本の「超人・怪人」が出てくる子供番組を見ていると、
異常に現実感覚がないのに驚きます。怪人が現れて超人が退治していたら、
当然社会は大騒ぎになってしかるべきですし、知っている街角に怪人が出るところや、
普通の会社や雑踏で人死にが出るところを見せてドラマを盛り上げてほしいものだと
思います。それが、冒頭の事件は子供や女性が数人キャアというのが関の山で、
海岸や造成地や、人目を避けた場所でしずしずと決闘が起こります。
さいきんでは画像処理で異世界で闘うパターンも多いですが、
とにかく「異世界の恐怖は日常が破壊される恐怖である」という感覚がありません。
予算がない、ということもあると思うんですが、日本では映画撮影の地位が低く、
社会に遠慮してるということもあるんでしょう。石原都知事が急に
東京は映画撮影に協力するという宣言をして話題ですが。
別の掲示板で、日韓共催ワールドカップサッカーで外国人観光客の案内の
ボランティアをしている女性が「困る質問が『コノ町デ野宿ヲスルニハ、
ドノヘンガイイデスカ』です」と書いててへぇと思いました。
イギリス人やイタリア人で、4年おきに世界を旅して自国のナショナルチームの応援に
リュックサック持って回ってる人の中には、野宿が基本という人も多いそうです。
「日本では基本的に野宿をしないし、しないで欲しい」というと
「ホワイ? 日本ハ他ノ国ヨリ安全ダト聞イテイタノニ・・・」だそうです。
これ、よく考えると話があべこべかもしれないですね。治安がいいというのは
事件が少ないということだと思うんですが
1) 警察が優秀
2) 加害者となる人間が少ない
の他に
3) 被害者となる人間が少ない
ということかもしれません。つまり、やたらヒッチハイクで旅行したり、
野宿したりしないから、犯罪の契機となることも少ない、ということかもしれません。
まとめると、日本人は世界でも異常に遵法精神が強く、
自由を求めない国民である、と言えるのではないでしょうか。
それも、特に警察が強力だとか、市民が高潔だとかいうわけではなくて
(コンビニの棚の成人雑誌を見ると、日本人が特に高潔というわけではないと思う)
ただなんとなく人様に迷惑を掛けるのを嫌う、それもその人をおもんぱかってではなく
恐れる、という気持ちがあるのではないかと、自分の心を省みても思います。
これがもう少し遵法的でなくなって野放図に私権を主張し始めると、
結構面白い眺めが方々で見られると思うんですが、
一方で弱肉強食の社会になって弱者の権利が侵害されたり、
私権同士の衝突が起こったりします。つまり犯罪が増えると思うんですが、
犯罪が起こる町は困ったことに眺めが面白い、というのは、
歌舞伎町や新大久保を見てても事実だと思いますがどうでしょう。
さいきん外国人の犯罪がかまびすしく言われます。
ぼくは外国人への偏見はむしろ反対ですが、それにしても今の日本では
外国人の犯罪が多い。でもこれ、ぼくが外国人の立場でも犯罪犯すなあ、と
思わないでもありません。電車ではサラリーマンが酔って寝ている。
ランチタイムにはOLが「財布を手に持って」歩いています。
(あれ、ゼッタイやめた方がいいですよ。やめましょうよ。)
異常に遵法的な社会の中で安寧が続き、市民も警察もそれに慣れている中、
外国人が「これはいい狩り場だ」と思っていると。そういう状況なのでは
ないでしょうか。特に外国人に道徳心がないわけではないと思う。
(そういえば、日本人も外国に行くと羽目を外して、
少女買春をしたりする場合がありますね。日本人の遵法精神も
国内限定?)
というわけで、何をどうするべきだという提言なく、
そういう傾向がある、ということだけを申し述べて今日は終わります。
もう一つ思い出したんですが、
人と変わった人を見ると、市民・警察・マスコミが一致団結して
排除しようという傾向があって、これはあまり感心しません。
典型的な例としては例の「白い服を着た人たち」があります。
あの人たちはたしかにヘンですが、ヘンな人って世の中にはいるもんじゃないですか。
あれ、騒ぎになり、迷惑になったのは、マスコミが騒ぎ、
それを周囲の人がさらに騒いで「怖い」「役所はなんとかしろ」
とパニックになったからじゃないかと思うんですが、
(あと一部の役所の退去命令は違法の疑いがあるという報道もありました)
まあ詳しい事情を知らないので無責任な感想です。