日々叢書(この著者ちょこちょこ昔の文章直します。スイマセン)

前田建設vs日本ブレイク工業

vsと言っても対決するわけではありません。
マジンガーZ対デビルマンみたいな関係でしょうか。
(いや、勝手にそういう関係を想像して楽しんでるだけなんですが ;;;

前田建設はいわゆるゼネコンで、巨大なダムなどを各地に建ててる
会社ですが、
このたびファンタジー営業部という仮想の部署を Web 上に設立し、
昔のアニメの建物を請け負うとしたらどれぐらいの費用/期間でできるのかを、
めいっぱい真剣に見積もっています。

いまのところ、
マジンガーZが富士山麓の汚水処理場の下から出てくる施設と、
銀河鉄道999の空に飛び立つ高架線路の2つしか
オファーを受けてないようですが、
これ、アニメファンならずとも、土木に興味ある人、
期間請負業務の見積もりに興味がある人、
その他理系の素養のあるビジネスマンは必読でしょう。

ぼくはまだマジンガーの方しか読んでいませんが、
読むだけでたっぷり2時間掛かりました ;;;
建設上の問題点、建築に導入すべき新技術を
各事業部のプロフェッショナルと共に洗い出し、
図面を引き、積算(各費用の総合計を出す作業)を行っていきます。
最終的には機械(マジンガーZを持ち上げるリフトなど)を
日立造船、栗田鐵工に発注し、見積もりをもらいます。
全員本職で、全員大本気です。

・穴を掘るよりも掘って出た土砂を運ぶ方がお金が掛かる。
 この出てくる土砂をズリという。
・ズリは地中で重さで固められた状態よりも、
 掘り出した方が体積が増える。これをフケという。

などの用語を聞いただけで、
どうしようもなく職人好きとしては燃えます。

ただ、真剣にやるとどうしても設定の矛盾が出てきてしまい、
「なぜ上を水にするんだ、素直に土にすれば外敵の攻撃を
 やわらげられるのに」
(この外敵の攻撃を計算するのもまた真剣!)
などの声が出ます。
「それはお客様の要望ですから・・・」
と突っぱねていますが。
(矛盾といえば、超合金Zを使って光子力を
 使えばあっという間にできるのでは?
 という疑問が真っ先に湧きますが、
 「お客様の秘密の技術をおいそれと使えない」
 ようです)

この Web、文章があまりにもうまく、笑えるので、
友達が一部だけ読んで「SF 作家の遊びのページだろう」
などと勘違いしていましたが、正真正銘本職が作ったページです。
あと、SFファンの間で評判の悪い「空想科学読本」的な
作品への愛情の欠如や科学的な不正確さがまったくなく、
作品への愛にあふれ、
かつ記述の正確性を保っている姿勢が胸をうちます。

「空想科学読本」といえば、山本弘氏が徹底的に批判した本があり
その中で「SF作品を現実世界に実現するには
どのような障害があり、それはどうすればクリアするか」という
ウラ設定を考える「SF考証」を紹介していますが、
前田建設ファンタジー営業部はSF考証の一つの究極の見本といえるでしょう。

さて、一方の日本ブレイク工業(公式サイト)ですが、
廃ビルなどの解体を専門にやっている会社ですが、
この会社の社歌(歌詞、公式サイト内、現在混雑中らしい)が話題沸騰です。
「タモリ倶楽部」のテーマソング大賞という企画で
大賞を取ったんですが、
これがなんと、完全な渡辺宙明調の特撮ソングになっています。
社内の音楽好きが作ったそうです。
「タモリ倶楽部」ではビデオクリップ(非公式サイト映像)を
作っていましたが、現場のリアルな映像が映ってて笑いました。

いやー、ぼくらの世代が社会の実権を握るとどうなるんだろと
思ってましたが、こうなるんですねー。;;;

Last Update : 2003/10/29 16:36