折り紙の鳩のことではなくて、オリジナル・バトルロワイヤルのことだそうです。
古くはシャーロック・ホームズとか、起動戦士ガンダムとか、
有名なフィクションのファンによる設定を借りた作品というのは多くあります。
それはパロディといっても元作品を茶化して笑うばかりではなく、
時間的空白を埋めたり、矛盾を解消したり、登場人物同士を恋愛させて楽しんだり、
元作品の設定を借りて創作意欲を満足させる手法として多岐に渡っています。
これ同様に、「バトル・ロワイヤル」の設定を借りて小説を書く文化のことを
オリバトというそうです。
オリバトの特徴としては、とりあえず異常に盛り上がってるらしいということです。
さっきググってみたら 37600 件当たりました。ま、控えめに見ても
万の数字の人たちがネットに小説を書いて、各章の終わりに【残り xx 人】とか
書いてると言うことで、これはやはりすごい。
わたしがこの言葉を知ったのは、自分ながら通俗的でいやらしいと思いますが、
例の長崎の事件について検索を掛けているときでした。
犯人の少女がバトル・ロワイヤルの設定を借りて小説を書いている、
というのを、いかにも特殊で変わった事例として取り上げているマスコミに対し、
いや、それはオリバトといって結構メジャーな趣味だ、と反駁しているサイトに
当たったんです。で、そのサイトを読んで私は、そういうメジャーな趣味がある、
という事実が、結構反射的に空恐ろしく感じました。
が、次の瞬間、あ、俺がそういう偏見的な目を持ってはいけない、と思いました。
なにより私じしんホラー好きでヲタクですから。
こういう事件を援用して、清く正しく明るくないものを文化から排除しようとする
動きは本当に浅薄で、何の問題も解決しないと思います。
基本的に元作品のテーマは、国家による殺人の強制の不条理と、それに対する恐怖と、
不条理な環境の中でどうしようもなく目覚めてしまう自分や仲間の獣性と、
それに対する二重の恐怖があると思います。人殺しは怖い。したくないしされたくない。
そういう共通の認識があればこそこの作品は成立し、爆発的な支持を受けたわけですよね。
ホラー映画と同じです。オバケ大好きな人ばっかりだったらホラー成立しませんから。
しかし、通俗的なことを書きますけど、現実の人殺しは大変ですね。
たった一人殺しても、大きな傷を多くの人に残しますね。