日々叢書(この著者ちょこちょこ昔の文章直します。スイマセン)

サイリウム

1月25日、「なっち」こと安倍なつみさんのモーニング娘。卒業を
コンサート会場、横浜アリーナのファンは一斉に白いペンライトを振るという行動で
祝しました。これはインターネットを中心にした勝手連的な行動で、
「タンポポ」の大幅な編成替えの時の黄色いサイリウム振り(タンポポ祭り)、
保田圭さんの卒業の時の赤いサイリウム振りに続くものです。

で、このペンライトは電気式のものは少なく、
たいていは使い捨ての、プラスチックの管の中にガラスの管が
封入されていて、ガラス管を折ると
内と外のA液とB液が化合して発光するという
化学反応式のものが使われます。
すでに出てきた言葉ですが、サイリウムともいいます。

(A液B液で思い出しましたが、
 アニメキャラなどの人形(フィギュア)を
 素人が原型から作って売る(ガレージキット、ガレキ)とき、
 A液とB液を混ぜると硬化するレジンというプラスチックを使うのだが、
 コミケだかワンフェスだかでラムちゃんかなんかのフィギュアを売ってたサークルが、
 用意のキットが売り切れてしまい、
 A液B液の一斗缶を調達して現地でを型抜きしては売っていたのだが、
 終了後に液が大量に余り、
 持って帰るには重いのでA液B液を別の洗面台で流したが、
 地下の下水で合流して巨大なプラスチックの塊ができてしまい、
 関係者が往生したという話を何かで読んだ記憶があるんですが本当でしょうか。)

さて、サイリウムという言葉をネットで検索すると、
前述のようにコンサート会場で使われる使い捨てのペンライトという意味と、
もうひとつダイエット用の食物繊維という意味がありますが、これは別の言葉で、
前者が化学反応を使った商品名
(Cyalume。アメリカCyanamid(シアナミド)社開発のルミネッセンスという意味)、
後者は学名を Plantago Ovata というオオバコの仲間の植物の Psylium(種皮)のこと
だそうです。

さて、今回の横浜アリーナの企画は「白サイ祭り」と言われましたが、
これは動物の白サイ(白犀)と掛けてあると思われます。
白サイ、特に他のサイと比べて白いというわけでもないのにこの名前、
おかしいと思いますが、実は wide rhinocerous という言葉の
wide をホワイトと聞き間違えた現象だそうで、日本限定の名前だそうです。
同様の言葉に white shirts=>Yシャツというのがあります。
(同様というか、逆)

ちなみにサイの英語名は rhinocerous ですが、つづめて rhino ともいいます。
旧盤の再販で有名なレコード会社ライノの商標ですね。
漫画のピーナツでチャーリーブラウンの妹のサリーが学級発表で
「そのサイはいつも酔っ払っているので wino rhino(ワイノ・ライノ)と
 呼ばれました」
と駄ジャレを言うんですが、谷川俊太郎さんは「飲んベの天サイ」と
まさに天才的な訳を付けていました。
(ライノといえばイエスの「こわれもの」の DVD 化(音楽だけ入っている DVD。
 5.1ch)が出たそうですが、実際にサラウンドで聴いたらどんなんだろ。
 でもどうせなら「危機」や「究極」やケイト・ブッシュの
 「ドリーミング」でやってほしい気もするが・・・)

rhinocerous とはかなり生硬な学名風の呼び名で、
horce や cow に比べていかにも非日常的な動物の名前という気がしますが、
日本語の犀は犀川という川の名前になったりしてこなれていますね。
パンダやビーバーと同じぐらい日本に居にくい動物という気もするが、
なんででしょうね。
思ったんですが、麒麟や獅子と同じで中国の伝説上の動物を
当てはめてるだけなんじゃないでしょうかね。
これぐらい、ちょっと調べればわかりそうなもんですが、
こんなことを調べずに放置するところがこのエッセイ集の特色です。
(ひらきなおりだー・・・。)

Last Update : 2004/02/06 08:46