ココナッツ娘。のアヤカという人のラジオにハマって3年以上たつ。
もともと女性の面白いしゃべりというのが好きで、古くは中島みゆきのオールナイトニッポン(ANN)、もっと古くは野沢那智/白石冬実のなっちゃこパックの当時から好きだ。ああトシがバレる。
その後、今の萌え文化を先取りしたような谷山浩子さん(ファンはさん付けする)のANN、斉藤由貴の猫の手も借りたい、南野陽子のナンノこれしきっなどは好んで聞いていた。
(斉藤由貴は「猫の手も借りたい」が独立する前に「キッチュ(当時。今は超常現象懐疑派で有名な松尾貴志)と由貴の夜(よ)にも不可思議」というネタ系の番組をやっていて、これもよかった。)
他にも男性のジョッキーのももちろん聞いた。なんといってもタモリである。山下洋輔一派の他に、ナベサダや本多 俊之が出演してジャズとは関係ない馬鹿話をしていくのが楽しかった。たけしにはハマらなくて現代に至る。その後はいわゆるコサキンである。これらのラジオの内容についてはおいおい書くこともあるだろう。
リアルタイムで聞くほうではなくて録音派だ。カセットに録って次の週までずーっと聞く。当時のカセットテープがまだうず高く残っているが、何がどれだか全然わからず、手をつける気にもなれない。老後の楽しみだがカビるからなあ。
先日友人の家に言ったら「宇宙戦艦ヤマト」の話になって「そういえば当時、所ジョージのオールナイトの中に西崎義展(現在収監中)のコーナーがあって、その中で西崎が『さらば宇宙戦艦ヤマト』の「詩の朗読」を・・・」というと、その人の家がめちゃめちゃ整理が行き届いていて「ああ、これですね」と当時のカセットを出して聞かせてくれた。これすごくないか。他にもヤマトの流れで「高嶋兄弟の弟の方(政伸)がオタクで、『テレビ探偵団』でヤマトのラストで森雪の乳首が見えるかどうかって真剣な話を・・・」という話をすると「あっこれですね」と「ベータ」のテープを出してくれたのを思い出す。
エアチェックの話に戻るが当時、一時的に気が狂っていて「CMカット」をしながら聞いていた。忘れもしないマランツのステレオラジオカセット(ステラジカなどと言っていたけど自分だけかな?)である。「オールナーイト、ニッポーン」というジングルが流れるとCM入りだから、ポーズボタンを押す。「かまやつひろしです。モーリス持てばスーパースターも夢じゃない」とか言っている。「オールナーイト、ニッポーン」とかいうシングルが流れるとCM明けだから、ポーズボタンをもう1度押して解除にする。「一人上手のコーナー!」なとど中島みゆきの声が響きだす。
これを、寒い布団の中から手だけ出してやっていた。CMに入ったら・・・ポーズボタンを押して・・・CMから出たら・・・またポーズボタンを押して・・・。
これをやっていたら、あるタイミングで一瞬いねむりしたらしく(それは普通する)位相(phase)がズレてしまって、あるところからCMだけをキレイに編集してしまった。「オールナイトニッポーン」「かまやつひろしです、モーリス持てばスーパースターも夢じゃない」「オールナイトニッポーン」という状態だ。かまやつひろしモーリスCM集。泣きたくなった。
どうしてそういうことをしたかというと、2時間のANNをなんとか90分テープに収めたかったからなのだ。当時120分テープというものもあったが、ベースが弱くてすぐキレると言われていた。透けて見えるという説もあった。電子の固まりの金属(磁性体)が塗ってあるから絶対に透けて見えることはないのだが。
そのうち120分テープも丈夫になってきて、というかこっちも無神経になってきて、120分テープで深夜放送をタイマー録音するのが当たり前になってきた。当然オートリバースだ。
この場合邪魔になるのがリーダーテープ。これはテープの両端の透明な部分で、テープの両端に録音すると音が悪いと言われていて、そのぶんあらかじめ透明になったり、ヘッドクリーニングテープがついていたりしたが、よく考えたら大きなお世話である。オートリバースでA面の末尾からB面の先頭にリーダーテープがあるとこの部分の喋りが切れるので(この時間、またぎと言って、ANNの場合2時だが、2時に始まる多局の番組に流れないように放送する方もガンバるような気がする。これはテレビでも同じで、よく言われることだが土曜ワイド劇場で松尾嘉代がオッパイを出すのは22時頃と言われている。
話が長くなったが、2時またぎの途切れが許せないので友達はカセットテープを分解してリーダーテープを極限までツメていた。テオ・マセロである。テープの編集はスプライシングテープという専門のものが売っているが、ナニ普通のセロテープで十分である。
こうして快適にいろんなラジオを聴いていた。斉藤由貴の猫の手も借りたいは土曜の5時ごろやっていて、この頃は部活(合唱・・・)の練習があったので絶対に家にいられなかった。それで、この話絶対に前に書いたと思うけど、タイマー録音を失敗したことがある。ラジカセを使うのだが「ラジオモード」にするのを忘れてタイマーをセットしてしまい、「マイクモード」になっていたので、「斉藤由貴がラジオをやっている部屋の様子」を1時間録音してしまったのだ。
家に帰って再生してみて、最初、何が起こっているかよくわからなかった。というのは、小さい音ながら「斉藤由貴のラジオ」が録音されていたからだ。これは、そのうち明らかになるが、当時住んでいた家の前にビニールハウスがあって、そこで働く農夫の人が「斉藤由貴のラジオ」を聞いていて、その音が録音されていたのである。
ラジオの音をめいっぱい上げて、斉藤由貴の声に耳を傾ける。ときどき家の前の道路をガーッとバイクが走る音や、それに反応して農夫の飼い犬が「ワンワンワン!」と鳴く音などが、大音響で録音されていて心臓が止まりそうになる。
他に当時聴いていたのが、渋谷陽一、坂本龍一、ピーター・バラカンなどのFM番組だ。ああ当時はロックが好きだったのね・・・。当然全部NHK−FMで、アルバム全部豪快に流すのとかあった。クイーンとかそれで好きになった気がする。
そういった幾多の失敗を経て、いろんなラジオを録音してきて現在に至る。