日々叢書(この著者ちょこちょこ昔の文章直します。スイマセン)

続イヤホン

Etymotics ER-6i はすぐ調子悪くなった。差込口がL型ではなくてI型(本体から垂直に出る)のだが、カバンにしまうとき不精をしてiPod本体にクルクルッと巻いてしまっていたら、根元の部分に常に曲げ力が掛かるのが悪いらしく、内部で断線が起こって片チャンネルが聞こえにくくなる。なぜここで断線が起こってるとわかるかというとそこをいじってると一時的に直るからだ。

イーディオで買った製品は修理が効くのだが、一時的に気が狂って自分で直そうとして失敗した。先端を切って以前使っていた国産の安いイヤホンの先端と交換しようとしたのだが、ステレオイヤホンのコードって素人には(少なくともぼくには)工作できない、複雑な構造になっている。すぐに投げ出して、高いゴミになってしまった。

しばらく aiwa の旧式の、丸いスピーカーが耳の穴の入り口に引っかかるタイプを引っ張り出して使っていた。これは耳に当たる部分がタイヤのように中空になってるというやつで、買ったときは感動したものだが、モーだめだ。ER-6i を使った後は装着間、遮音性共に使い物にならない。

サウンドハウスという通販の店で2代目を購入。これが、同じようにiPodに巻いてカバンに直していたら、すぐ同じような症状になった。ここで始めて、I型のジャックに曲げテンションを掛けると断線するということが分かった。

近所の電気屋でSONYの、やはり耳に深く差し込むタイプ(さいきんはカナル型というらしい)のを買ってきた。5千円弱。ER-6iほどではないが高価な部類。

これは結構良好だが、やはりER-6iにはかなわない。どこがかなわないかというと、SONYの方が装着感が甘い。ER-6iはちょっとやそっと引っ張っても取れないが、ソニーは割りとすぐあきらめる感じ。でもコンスーマー製品としてはこれぐらいの感じが普通でイイという判断か。ER-6iは過激に快適というか、使う人を選ぶ感じがする。音もそれなり。

しかしER-6iにない美点もあり、日本製にしかないと思うのだが一方のコードが長く、首の後ろを回して横に出すのにちょうどいい感じになっている。(ただ、ERでこれをやると首にコードが擦れるときの雑音がするのでダメかも。)あと、ジャックがL字型だ。このへん、設計は凡庸だが細かい点で誠実な日本製品の特徴がよく出ている製品という気もする。(偉そう)

そんなにイヤホンばかり買ってもいられないし、熱も冷めていたのでそれで過ごしたが、どうしたはずみかだんだんイヤホンのスピーカー(ヘンな表現だが)に近い部分のコードが被服が向けてきた。やはり扱いが荒いのか。音は今のところ聞こえているが、ちょっと使い続けるのは怖い。

新製品を買うにおいて、ER-6iともう一方の雄とも言えるSHUREのE2cを買ってみた。またサウンドハウス。他の店は9800円するのに7500円で売っている。買う決め手になったのが、キャリングポーチがついていることだ。これが、こんなものに入れるかよという無骨なつくりだが、扱いのせいで3個連続で壊している身としては、こんなものに入れてみようという殊勝な気持ちになっている。

SHUREからはE4というハイグレードなモデルも出ている。だからE2cを値下げしたのか。でもぼくの金銭感覚としては、これぐらいが上限という気もする。注文の翌日に届いた。

ジャックはL字。これはよし。コードは両方同じ長さ。外国製品はしょうがないのかな。首の前に垂らすのかと思ったら、耳にくるっと引っ掛けて背中に垂らせと書いている。大きな疑問だが、こんな使い方してる人ほんとにいるのかな? たしかにオーディオ誌とかにも以前から「耳がインシュレーターの役割をして振動に耐える」とか書いている人いたけど、本当ですか? ぼくは耳にコードが触ってる感じが気持ち悪くて耐えられない。前に垂らして使うことにする。

あとキャリングポーチだが、予想以上に無骨で大きい。洋服用のジッパーで閉じるのもチープな感じ。一気になえてしまった。ジャックがL字だから、iPodに巻いて使ってみよう。コードも太いし。このコードだが、硬くて曲がりが悪く、邪魔な感じがする。

耳に入れる部分、スリーブというそうだが、透明で流線型の大中小と、ウレタン製でつぶして入れて耳の中で広がるものの大中小がある。「KOSS THE PLUG」もそうだったが、そんなに何種類も付属するってこと自体、いかにただひとつのものだけで万人にフィットさせる自信がないかの現れという気がする。実際、いろいろ変えてみたが、帯に短し襷に流し。どれか1つしかついていなければ、体の方をあわせようという気もするが、これだけ着いていると「さっきの方がよかったかも・・・」とか思っているうちにイライラする。結局クリアの小を使っているが、少しぼくには大きく、硬い気がする。

ウレタン式はつけはじめは良好なのだが、だんだん熱がこもった感じで熱くなり、かゆくなって抜いてしまう。このへんはアレルギー的なものもあるかもしれない。

音はさすがによい。ER-6iを究極の自然の音とすると、E2cはすごく主張のある、ある意味でしゃばりな感じの音という感じがする。でもこっちの方が引っ掛かりがあって音楽がよく分かったような気がするのだ。ああでも、ちょっと聞き疲れするかもしれない。やっぱER-6iの方が持ち歩きにはいいかな・・・。

ER-6i
装着性★★★★★
音★★★★★
コード★★★(後ろ回しの方がよい。やわらかさと細さはいい)
ジャック★(L字にしてほしい)

E2c
装着性★★★(ER-6iも最初は辛かったので慣れれば慣れるのかも知れないが)
音★★★(エイジングすればよくなるのかな)
コード★★(硬く、太い)
ジャック★★★★★(L字だってだけだが)

ソニーの
装着性★★★★
音★★★(可もなく不可もなし)
コード★★(後ろ回しでやわらかくラクチンだが切れてきては・・・)
ジャック★★★★★(L字だってだけだが)

でも人間って総合得点ではなくてどれか1つ気に入った点があれば惚れ込むもので、ぼくはやはりER-6iこそが理想のイヤホンNo.1だと思う。ジャックをすぐにでもL字にして、コードを願わくば後ろ回しにしてくれれば最高の最高なのだが・・・。

(書き上げてみるとものすごいちゃんとしたレビューになってしまった)

Last Update : 2005/08/24 22:25