日々叢書(この著者ちょこちょこ昔の文章直します。スイマセン)

iPod導入記(5)

iPodを使い出してから、
CD それはエンコードして iPod に入れるもの
(あとは解説と歌詞カードを読むもの)、
音楽それは iPod から聞くもの、というカンジになりまして、

「たまに CD から直接聞くと、やっぱそっちのが音がいい」
という説もありますが、ぼくはあまりいい耳を持ってないらしく、
ほとんど気になりません。
昔の MD あたりは豪快に不自然な音だった気がするので、
やはりエンコード/デコードの性能および、
回りのチップの音作りが向上してるんじゃないでしょうかね。

ということで枕元で聞くスピーカーですが、
強力に iPod を意識した Creative のコレを買いました。
http://japan.creative.com/products/speakers/ts_i300/
パワーも携帯性も中途半端な感じがしますが、
枕元用としては非常にクリアな音で気持ちよい。
これでラジオのロクオン聞きながら寝るのが楽しいです。
iPod にはスリープ・タイマーがついてるし。
AC アダプターは Genio/Zaurus/GIGABEAT 用の 5V のが
使えてこれもラッキー。



iTunes Windows 版が出て購入に踏み切った iPod だが、
じっさいはコレ、単なる転送にしか使っていません。
いままでの cd2wav+午後のこ〜だ dll という環境に
慣れきってしまったので、特に新しいソフトで冒険しようという
気にならなくなってしまったんです。

午後のこ〜だといえば、長く MP3 のトッキョ権をめぐる問題で
公開を停止していました。ソフトの研究をやっているだけなので・・・
ということでソースの公開はしていましたが、VC++ を持ってないと
ビルドできませんでした。

これがこのたび(だいぶ前ですが)晴れてバイナリ−配布となりました。
と思いましたが、これダウンロードするとソースと
豆コンパイラがついてきて、セットアップを開始すると
ビルドが走って手元にバイナリ−が生成されます。
なかなかゴーカイ。

話を戻します。
iPod になってから ID3 タグのトラック番号にも
気を遣わなければならなくなったので、
SuperTagEditor も併用しています。((1)参照)
これも目で見ながらなのでなんとなく安心。
タグの付け直しも最初の1回は大仕事だったが、
最近はそんなに新しいCDも買わないし・・・
アレサの新作は買いました。)

あと、曲ごとの音量の違いというのもいまさら気になりだし、
音量調節ソフトに挑戦してみました。
再エンコード(俗にいう再エンコ)だとヤだなと思っていたのだが、
MP3 はフレームごとにゲイン値というのを数値で持ってい、
これを変更すれば再エンコなしで音量の平準化が可能ということで、
MP3Gain というのを試してみた。

これ、目標値(デフォルトは 68db)を定めて、
それより大きい音は小さく、小さい音は大きくします。
が、各タイムフレームを全部平準化するわけではありません。
そうすると最初から最後まで全部同じ音の大きさの音楽になります。
それではダメなので(聞いてみたい気もするが)
まずトラック全体の平均値を取り、それと目標値の差分を計算して、
全体のゲインを増減します。これで1曲の音楽の中でメリハリを持たせながら、
平均の値を目標値に合わせることができます。

が、ここで「何を持って1単位の音楽と呼ぶか」という問題が生じます。
交響曲とかは4楽章セットで1曲とみなすべきでしょう。
他に、ポップスのアルバムでも曲ごとにメリハリがある場合もある。
でも、シングル盤のみを収めたジュークボックスのように
全部の曲を対等に捉えて平準化したい用途もあるでしょう。

ということで、Track Gain(曲ごとに平均を取って平準化)というモードと、
Album Gain(アルバムごとに平均を取って平準化)というモードがあります。
前者を選ぶと曲単位での平均が目標値に、
後者を選ぶとアルバム単位での平均が目標値になるように、
各フレーム(瞬間)の音量を調整します。

ということで、目標値を 72db において、
まず音量の調整をせずに分析だけ行う Album Analysis というのを掛けてみました。
ぼくが好んで聞くのは 70 年代中心の
ブラックロック、ニューソウル、ニューロック、プログレ、フュージョンといったあたりですが、
このへん音の平均値がほんっとに 72db らしく、
見事にアルバム単位の推奨修正値が±0です。つまり、修正なし。

なぜこの音量の平準化が急に必要と思ったかというと、
「マドンナの新譜の音が妙にデカい」からだったんですが、
くだんの "American Life" の音量はやはりデカくて 10db ぐらいマイナスに訂正すべき、
という診断結果が出ました。
他にもモーニング娘。とかが妙に音がデカい。
60年以前の音源は 2db ぐらいプラスに訂正すべき、と出ましたが、
Smokey Robinson and Miracles の Ultimate Best というのは
リミックスのときに音量をデカくしたらしく、マイナスに訂正すべき、と出ました。
とくに分析結果に依存はなかったので、パーっと修正を実行しました。
終わった後聞いたら、非常に快適です。
静かな曲は静かに、にぎやかな曲はにぎやかに聞こえつつ、
突然大きな音が出てビックリ、ということはありません。

ということで、cd2Wav+午後のこ〜だDLL+SuperTagEditor+MP3Gain で
MP3 を作って、それを iTunes でボコン、と転送しています。
iTunes の機能はほとんど使ってません。
これがいい手順かどうかわかりませんが、いまのところ快適です。



今年と去年は携帯モノの強化期間というカンジで買いまくりましたが、
iPod はその中でも最もハマりました。
電池がもう少し持ってくれればと思いますが(1日使ってちょうど不安ぐらい)、
機能的にもデザイン的にも最高です。
最初の使いこなしがなかなか大変でしたが、なにしろディスクがデカいので、
しばらくは落ち着いて使えるでしょう。

Last Update : 2003/12/01 15:44