コンパックや Mac の PC は開けるとき星型の専用ドライバーが必要で、
これをトルクスドライバーといいます。
開け閉めの力の伝わりやすさが通常の+よりいいそうですが、
それよりも勝手にユーザーが改造して起こる、
やっかいな故障を招くトラブルを防ぐという意味が大きそうですね。
Mac の場合はマッキントッシュ・オープナーという豪快な名前を付けて
法外な値段で通信販売してましたが、当然東急ハンズやホームセンターで普通に売ってるので
オッケーです。ネジの大きさが違うと回せませんので注意が必要です。
(さいきんの G4/G5 マックは、異常に改造/拡張がやりやすそう。
極端から極端に走る会社だ・・・)
このトルクスドライバーとトルクドライバーというのはまったくの別物ですので
注意が必要です。
トルクドライバーは一定のトルク(ねじりモーメント。平たくいうとねじる力)を
一定にするように調整できる電動ドライバーで、
ネジがしっかり締まって抵抗が高まったきには空転するようになっているそうです。
ノートパソコンの組み立てなどで、バカ力で締めていたらそのうち本体がバキ、
という状況を避けるために、トルクドライバーの使用が技術者には義務付けられ、
ネジごとに所定のトルクが定められているそうです。
で、このトルクという値を計るのに、
一昔前は kg・cm(キログラムセンチメートル)という単位だったそうですが
これを最近は例の SI 単位系の影響で N・m(ニュートンメートル)で売っているそうです。
古いマニュアルには当然 kg・cm で書いていますので、
換算が必要になります。
kg・cm は正しくは kgw・cmというべきでしょう。
1kgw(キログラム重)は空中に支えた 1kgの物体が地面に引っ張られる力で、
1N(ニュートン)は 1kg の重しを1メートル移動したときの仕事量(をこなせるだけの力)です。
ニュートンとキログラム重の換算は地球上の重力加速度というのを
知る必要があって、これがおおむね 9.8 m/s2(メートル毎秒毎秒)です。
トルクドライバーの話に戻りますが、1kg・cm = 0.098 N・m になります。
これだと使いにくいので実際には千分の一の cN・m(センチニュートンメートル)を
使っているそうです。
SI 単位系の話は拙著でもしましたが、
1 ミリバール=>1 ヘクトパスカル(気象学)
1 キロカロリー=>4.184キロジュール(栄養学)
などが結構話題になりましたね。
気圧の方は換算がラクだからでか、ヘクトパスカルという名前が面白くてか(?)
あっという間に定着しましたが、熱量の方はなかなか普及しません。
ていうか一生普及しないのでは。